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『スーパー赤カス』

※ムシャクシャして書き散らしたライトノベルです。かなり下らないです。続きは書くかは分かりません。





   『スーパー赤カス』

   1

   「オンギャー! オンギャー!」
   「うるさい赤カス!」
   少年は拳で頭を殴った。飽き足らず、床に散乱している色々な工具類で頭を殴った。
   赤カスはその衝撃で脳が覚醒し、一瞬で物心が付いた。その物心によって赤カスは、すぐに自分の置かれた最悪な状況を把握した。
   この少年が父親だ。酒を呑んで一人で愚痴っている。その愚痴から推察するに、少女と同棲していたが、望まない妊娠・出産をして少女が逃亡。赤カスの世話を強いられた少年は、土方のキツイ仕事をしていて、そのうっぷんを赤カスにぶつけているのだ。
   「今日こそ俺の人生のお荷物を殺してやろう」
   少年は目が完全にイカれていた。ハンマーを振り上げた。
   「あ”ー!」
   赤カスが恐怖で叫ぶと、ハンマーが少年の手から吹っ飛んだ。
   「え? 今のはなんだ?」
   赤カスは自分に不思議な能力があることに気付いた。念じると物が動くのだ。
   少年は今度は足元に転がっていた電動釘打ち機を取って赤カスのオデコに向けて、引き金を引こうとした。
   赤カスは念じた。
   ノコギリが飛んで来て、少年の首に刺さった。
   赤カスは念じた。
   ノコギリがギコギコギコギコギコと動いた。血を噴きながら少年は絶叫した。
   赤カスは笑った。
   「ハッハッハッハ!」
   睨む少年に赤カスは言った。
   「さんざん俺をコケにしやがって。地獄に落ちれよ」
   少年は再び釘打ち機を赤カスに向けようとする。
   赤カスはハンマーを飛ばし、少年の頭を何度も叩いた。それから少年の右手を操り、釘打ち機を少年のオデコに向けると、人差し指を操って引き金を引かせた。射出された太い釘がオデコを砕いて脳に突き刺さる。少年は倒れた。
   赤カスは念力で冷蔵庫を開けて食料を飛ばし自分の手元に置くと、立ち上がっていそいそと風呂敷に詰めた。それを腰に巻き付けると、自分を浮かせて、スーパーマンのように窓から外へと飛んで行った。



   2

   食料も尽きて、赤カスは自分を養ってくれる家を探すことにした。
   どうせなら大金持ちがいいだろうと思って、那覇の一等地の豪邸を選び、そこの玄関に寝て、同情を誘うように激しく泣いた。
   「おや、赤ちゃんが捨てられているよ」
   「ちょうど不妊症なので、赤ちゃんが欲しかったのよ。養いましょうよ」
   養われることになった。ほくそ笑む赤カス。
   しかし、夫婦は頭がおかしかった。
   夜中寝ているといきなり飛び起きて叫び、
   「いまレーザー光線を心臓に当てられたわよ、あなた!」
   「胸がすごいヤケドじゃないか! くそぅ! 集団ストーカーのやつらめ!」
   などとやり出すのだが、赤カスが見るにレーザーなんて飛んでなかったし、胸も全然ヤケドなどしていないのだった。
   そしてどこかにGPSと盗聴器が仕掛けられている! と騒ぎ出して、夫婦して家じゅうの家電や家具を分解して、無い! 無い! どこだ! と騒ぐのだった。
   「わかったぞ! あの赤ちゃんの中に仕掛けられているんだ!」
   「あの赤ちゃんは集団ストーカーが置いて行った罠だったのね。分解しましょう!」
   夫婦は両手に包丁を持って左右から飛びかかってきた。
   赤カスは念力で二人の動きを止めた。そうして夫の両腕を動かして引きちぎった。包丁を持った両手はすごい速さで飛んで妻の体に突き刺さった。夫婦は倒れた。
   赤カスは食料を奪うとまた空を飛んで寄生先を探した。



   3


   巨大な蝉が宇宙空間を飛んでいる。蝉はやがて地球の成層圏を突破すると、那覇の琉球新報新社屋の壁面に止まった。
   「ミーン、ミーン、ミーン、ミーン」
   恐ろしく大きな鳴き声。
   衝撃で建物の窓が破れ、車の窓が砕け、人々の耳の鼓膜を破壊した。
   「あきさみよー!」
   耳から血を噴きながら、のたうち回る那覇市民。


   その頃赤カスは、色々な寄生先を訪ねてみたが、どこもかしこも頭のおかしい夫婦ばかりで、何度も殺されかけた。
   「まったく。沖縄にはまともな大人はいねぇのかよ…」
   そこで『せせらぎ』とかいうNPO法人に相談に行くと、その不思議な能力を生かして人助けをやるといいよ、一回人助けをするごとに私達が報酬を上げるから、と言われたので、赤カスは人助けをすることにした。
   とりあえず、今話題になっている蝉の退治に行くことにした。


   耳栓をして、飛んで行って蝉に近付くと、念力で蝉の身体をズタズタに引き裂いて殺した。
   「おー!」
   「すごい!」
   「命の恩人様! あなたのお名前は?」
   「赤カス」赤カスが言った。
   那覇市民は喝采した。
   「赤~カス! 赤~カス! 赤~カス! 赤~カス!」
   赤カスは産まれて初めて人に感謝されて、まんざらでもなかった。

   
   この光景を病院のテレビで見ている男がいた。
   赤カスにやられて入院していた例の少年だ。
   「赤カスめ……」
   少年は念力を使ってテレビを浮かし、床に叩きつけた。
   脳を傷つけられた衝撃で念力に目覚めていたのであった。
   少年は念力で窓を開けて飛んで行った。赤カスを殺すために。



   4

遠い惑星から巨大な猫が飛んできて、那覇の新都心に降り立った。
ゴロゴロゴロと転がって街を破壊していく。
「あきさみよー」
「助けて、赤カスー」
赤カスが飛んで来た。
赤カスは念力で首をちぎろうとしたが、相手が巨大すぎて念力が通じない。
そこで赤カスは念力で空気を操った。
空気を猫の両耳に送り込み、空気を破裂させた。パーンと耳が破壊されて、猫が叫んだ。
猫は大きく開いた口からビームを出した。赤カスはぎりぎりで避けた。
今度は猫は口から火を吹いた。赤カスが空気で跳ね返したので、猫の全身がじゅうじゅう焼けた。
「ミギャーーーーーー!!!」
猫は死んだ。
「赤~カス! 赤~カス! 赤~カス!」
赤カスは飛んで行ってパトロールを続行した。

こうして赤カスは空気を操る力を得た。



   5

その家は内部が破壊され、夫婦の遺体は首がちぎれ、両手両足もちぎれていた。
まるで『モルグ街の殺人』のような異常さで、沖縄県警は頭を抱え、最終的に能力者の仕業と断定し、赤カスをアドバイザーとして招聘した。


刑事「どう思います、赤カスさん」
赤カス「間違いなく能力者の仕業ですね」
刑事「やはりそうですか。こりゃ難儀な事件になりますわ」


ため息をつく刑事。
その時赤カスはひらめいた。例の被害妄想のキチガイ夫婦が【集団ストーカー犯罪分子一覧】というノートを作っていて、そのトップに今回の被害者夫婦の名前があったのだ。

きっとあの夫婦は生き延びており、能力者になったのだろう。
そして能力を使ってありもしない集団ストーカーを根絶やしにしようとしているのだ。

ということは今回の被害者夫婦の下に名前が書かれていた具志堅という資産家夫婦が危ない。
赤カスは先回りし、具志堅邸の上空で見張った。

真夜中。案の定キチガイ夫婦がやってきて、ベランダに侵入し、能力で窓ガラスを破壊しようとした。

しかし、赤カスは家全体の表面に空気の膜を張っていた。
その膜は衝撃を加えられると礫になって四方八方に飛び散るようになっていた。
キチガイ夫婦は礫にボコボコに叩かれて吹っ飛んだ。

刑事たちが飛びかかって捕まえた。


刑事「有難う赤カスさん」
赤カス「人として当然のことをしただけですよ」


赤カスは飛び立っていった。



夜空を飛びながら赤カスは思った。
(キチガイ夫婦が生きているんだから、俺の親父も生きているかもしれない。復讐しに来るかもしれない。…ちょっくら山ごもりするか)
赤カスはヤンバルの森で修行をした。

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