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『こころ』地位と思想

先生は私の大学の卒業を何とも思っていない。思想に生きる先生にとって卒業という事物は思想とは無縁のごく下らないものである。
対象的に私の父は私の卒業を喜ぶ。「卒業が出来てまあ結構だ」という言葉を繰り返す。父は思想ではなく経験的世界に生きている。
と言っても父は俗物ということではない。息子である私への愛情があるから卒業を喜んでいる。
しかし思想に生きる人間にとって父の反応は陳腐であり不快であり、卒業をけなす先生の反応のほうが高尚に見える。


思想は地位の高さによって磨かれるものではない。東大や慶応や早稲田を卒業したり、教授になったり、博士になったり、有名な賞を貰ったからといって、優れた思想が作れるとは限らない。東大の教授でもファシズムを肯定するクズがいる。漫画を真面目に研究するようなバカな教授もいる。
思想を作るには読書は欠かせないが立派な書斎や研究室は必要ない。読書は図書館でも公園でもトイレでもどこでもできる。だから普通の主婦や土方やホームレスが有名な教授を上回る優れた思想を作る可能性もある。思想は地位や身分で作られるとは限らない。だから先生は私の卒業を重要視しない。
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テーマ : 夏目漱石
ジャンル : 小説・文学

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