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『こころ』先生のごろごろ

奥さんは先生をごろごろばかりしていると評する。先生はそれをはっきりと否定する。実際先生はごろごろしているわけではない。先生は日本では追い付ける人間がいないほどに能力を高く極めている。あらゆる物事を知り尽くし、あらゆる物事を否定して、あらゆる物事を止揚して乗り越えた、高い認識能力を持っている。ここまで能力の高みに来ると本を読んでも満足できない。一流の学者たちと交流しても満足できない。だから先生は何もしない。本もろくに読まないし、誰とも接しようとしない。先生の「ごろごろ」は、先生が能力を積極的に高めて行った結果であるから、「ごろごろ」には積極的意義が含まれている。奥さんの言う意味での怠惰としての「ごろごろ」なのではない。
それに先生は「ごろごろ」な生活にあぐらをかいて居るわけではない。先生は散歩をしたりKの墓参りに行ったり、たまに海水浴などに出掛けることによって、のんびりした気楽な空気の中で何らかの答えを見つけようとしている。答えは見つけられるかもしれないし、見つけられないかもしれない。しかしとりあえず、この国民精神の極度に稚拙な日本では、積極的に動いても先生の求める高度な答えは見つからない。独自に見つけるしかない。それには「ごろごろ」した気楽なリラックスした空気の中で見つけるしかない。
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テーマ : 夏目漱石
ジャンル : 小説・文学

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